受話器の向こう側
受話器の向こう側にある
見えない表情に 後ろ髪を引かれつつ
「切」のボタンを押す
君のいない部屋に ひとりでいたとしても
君を感じることさえできたなら
俺は 決して ひとりなんかじゃない
そんな気がするよ
や せめて
そんな気でいさせてくれよ──
もどかしい…
Spiral Rendez-vous
時の刻みは 皆に等しく 降り注ぐ
シビアに 冷徹に 弛まず 一定のビートで
時の歯車は 誰にも御せない
ただ 密度 だけは 自由
時の濃淡を 愛しい人と 一緒に 描く
デッサンが狂っていても 構わない
甘く切ない時が 緩やかに流れる
唇と唇を 重ね合わせるだけで
彩りが ふたりだけの空間を支配する
俺の 愛しい人
俺だけの 愛しい人
「永遠」と云う言葉は 余りにも陳腐過ぎて
だから「ずっと 一緒」──
DNAが螺旋状に絡み合っているように
ふたりは ひとつ
ふたりで ひとつ
決して ほどけることなく
互いに 抱き合っている
Spiral Rendez-vous
脳髄から神経繊維に至るまで
Spiral Rendez-vous
絡み合って 溶け合って
スパイラルに ずっと 一緒──
俺の 愛しい人
俺だけの 愛しい人
美しい者の傍らにて
大きなこと 小さなこと
そのどちらでもない
やりたいことをやる
理由は ひとつ
やりたいから
義務や焦燥は 何処吹く風ぞ
一番でも ビリッケツでもない
気高く 美しい
孤高とは
依ることでも 依らせることでもなく
気高く 美しく 存在するだけ
何を見せ 何を聞かせ
何を感じさせるか──
それは自分以外の人格が決める
本人の与り知らない部分で
勝手に ひとり歩きするもの
本人のやることは ひとつ
自身を制御する だけ
大きなこと 小さなこと
そのどちらでもない
やりたいことをやる
理由は ひとつ
やりたいから
義務や焦燥は 何処吹く風ぞ
一番でも ビリッケツでもない
気高く 美しい
ただ ひたすらに
真摯に 愚直に 真っ直ぐに
風の吹くまま 気の向くまま
自身の魂の命ずるまま
我が魂の命ずるまま──
___ 女神棟にて