2013年6月 アーカイブ[1]

薄紅色の夢雫

「やぁ、君はどう思うか、ちょっと聞いて欲しいんだ」
「あら、何の話?」

ふたりで夕食を摂っていると、彼は出し抜けにそう切り出した。

「ちょっと面白い話を聞いてね。そういうものなのかなぁ、って」
「面白い話? いいわ、聞かせて」

彼女は口許をナプキンで拭うと、彼を見つめた。

More ▶