2009年9月 アーカイブ[6]
vincentonic love - 前世の記憶を紡ぐ
記憶から想起までの過程は以下の通りである。
記銘(きめい)→保持(ほじ)→再生(さいせい)→想起(そうき)
ステップ毎の詳細について。
記銘とは、記憶の第一段階。経験内容を覚えこみ、定着させる。銘記(めいき)。
保持とは、記憶の第二段階。記銘された経験内容が量的には減少し、質的には変容しながらも残存・維持される過程。把持(はじ)。
再生とは、記憶の第三段階。記銘され保持された経験内容を再現する。
──このような段階を経て、人は「想起」する。
マーブリング・ワルツ
ふと窓の外に眼を遣る。
くすんだ雲間から星たちがチラつく。
紫煙に燻されながら陽炎が立ち昇る。
飴細工でできた甘いタンジェリンな高架灯。
ヘッドランプとテイルランプの描く軌跡粒。
リバーサイドを縫うマーブリングな色彩。
蒼月を仰ぐ光りを失ったイカスミの川面。
思考繊維に絡まった雑事を棚上げの美学。
星陰さやかに的外れなワルツを刻む──。
山崎デイリーストアにて
「あら。近くに住んでるんですか?」
ふと視線を向けるといい女の笑顔。
僕は二徹明けでフラフラのまま、近所のコンビニで立ち読みをしていた。