2008年9月 アーカイブ[10]

非の昇華

いち方向の都合だけで好都合に展開されるシナリオ──或る向きからすれば、受け入れ難い苦痛となる。

だが、それを継続することによって、その苦痛なりは、いつしか快感へと変化する。


 非の昇華。


これを「美学」と呼ぶ。

___ spelt by vincent.

When You Wish upon a Star

「ひとつだけお願いがある──」
「なぁに?」

「云ったら叶えてくれるかい?」
「聞かなきゃ分からないわ」

「それもそうだね」
「お願いってなぁに?」

「無理矢理、君に優しくしてもいいかい?」
「まぁ…」

___ spelt by vincent.

餓鬼

欲張りも結構だが、実りある欲を張れ。
闇雲に貪るのは、ただの餓鬼だ。

──故に、満たされない。

___ spelt by vincent.

清廉潔白

理解されようと躍起になるから擦り抜ける。

「ありの侭」が美しいのは「無垢」な場合のみだ。某かに汚染されたものに真のありの侭など有り得ない。

願わくば、君よ。穢れる事勿れ。

先付けでも後付けでも構わない。


威風凛々と清廉潔白たれ──。

___ spelt by vincent.

通過儀礼 - ボーダレス・ゲート

「ボーダレスと云うボーダーを潜り抜けるゲート」

師が静かに宣う。

「これは『通過儀礼』なのだ。誰もが通り過ぎる」
「誰もが?」
「少なくとも私の知り得る限りは」

それを聞いた少年は苦笑した。

「成人式と同等って訳だ?」
「そうだ」

少年はひと呼吸置いてから吐き捨てた。

「横断幕引き裂くくらいが関の山さ」

師は微笑を浮かべる。

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流麗飄々

流麗飄々(りゅうれい-ひょうひょう)
〔四字造語〕
流れるように麗しく飄々としている様。
「唯我独尊に跳梁跋扈する天下人然は─としている。」
*例文中「天下人然」も造語
___ spelt by vincent.

傀儡

我 形骸の傀儡なり

衝動を友に 当て所なく 寄る辺なく
潮流に身を任せ 漂う侭に 流るる侭に

我 操られし受動の傀儡なり
糸の切れた傀儡なり

血袋ならぬ 血染めの魂を詰め込んだ
空腹の なけなしの 餓鬼道を流離う

我 形骸の傀儡なり

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