2017年4月 アーカイブ[1]

tone of voice

「何を云うか、誰が云うか──」
「?」

「そんなことよりも、どんな声で云うか」
「──」

「それが問題なのさ」

そう云うと、男は笑みを浮かべた。

「なる程、そうかも知れないな」

出し抜けに真理めいたことを聞かされた男の口許も僅かに緩んでいた。

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