「え〜っと、何だったっけ… ほら」
「どうしたんだい?」
「ここまで出掛かってるんだけど…」
「何か忘れてる?」
「そう。大事なことだったような…」
「大事なことだったら覚えてるはずだろ?」
「そうなんだけど… あ!」
「思い出した?」
「もう! あなたの顔見たら全部忘れちゃったじゃないの!」
一拍。
「任せな。全部、俺が忘れさせてやるよ」
満面の笑み。
「違うし…」
落胆の色と
忘却のあなた。喜びも悲しみも
何もかもすべて忘れて連れ去って──。
そんな感じで♪
2016年4月 アーカイブ[2]
Smoke on the water
誰もが知っている話をお為可笑しく流暢に。
したり顔とは裏腹に辺りに煙が立ち込める。
喚起、教唆、訓示、啓蒙、公約の類い。
何を云うのか、否、誰が云うのか──。
色と香りを添える者にだけ耳障り豊かに芳しく。
胡散臭いと火のないところでも煙たがれる。
全面禁煙に踏み切れない理由がここにある。