天才が云うことは凡人には理解できない。
凡人が云うことは天才には理解できない。
だとすると、双方共に「分かり合えない」ということにおいては等価である。
「理解は通過点」と括っているにも関わらず、それぞれの立ち位置で通過点すら通過できない。
それは一事が万事。理解に重きを置いているからに他ならない。
或いは、通過点など踏まずとも流れている「摂理」と呼ばれる、目に見えぬ大きなうねりに無頓着だからだろう。
何故、それでも地球は回るのか?
「理由なんかないよね?」
「ま、そうだけど… 何故、こんなことを?」
「ほら、そんな調子だろ?」
そう云って彼は苦笑を浮かべた。
やはり、分かり合えない。