「『探さないでください』てな『探してくれ』のメタファーだろ?」
「そうだな」
「じゃ、『乞うご期待』てのは?」
「そんなの… そのまんまだろ」
「そのまんまとは?」
「や、『期待しててねー』とか何とか… 裏なんかねえよ」
「そりゃ、順接通りと云いたい訳だな?」
「まぁ、そーゆーことだな」
「だったら可笑しいじゃねえか」
「何が?」
「乞うてるのは発信者の側なんだぜ?」
「──!? どういうこと?」
2017年6月 アーカイブ[5]
緩叙法による言葉遊び
「心配しないで済む方法しか知らない」
「婉曲だが頼もしいな。それは?」
「安心すること」
「なる程。安心する方法は?」
「知っていれば心配しない」
*2017.06.24・草稿
憧憬の念
義を見てせざるは勇なきなり
誰彼見られてなかろうと
名もない野花が咲くように
自身にとっては極々自然
そんな当たり前のことが
当たり前だと思える男──
そんな男に憧れる
*2017.06.09・草稿
意気消沈 - いろはにほへと
「なぁ、随分前に、花の美しさがどうのって云ってたよな?」
「おお。そんなこと云ってたな」
「事実を言葉で写生とか何とか…」
「よく覚えてるな。まぁ、名リリックだからな」
「で、不意に思い出したんだが、花は頭のてっぺんに生殖器を掲げているんだろ?」
「そうだな」
「花が枯れて、ごっそり落ちたら?」
「花が枯れて、ごっそり?」
「そう。ハラハラと、花びら1枚ずつとか散っていくならまだしも──ごっそりだぜ?」
顔を見合わせる二人。
「まぁ、今朝、庭でそんな光景を目撃したからお前の言葉を思い出したんだがな…」
「余計なこと思い出してくれたもんだぜ…」
色は匂えど 散りぬるを
我が世 誰ぞ 常ならむ──
「しょっぱいのぅ〜」
心到
練られていない文章には作為がない。
余計な虚飾が取り払われているからこそ心に染み入る。
一服の清涼感。
浸透は心到する。