「なぁ、随分前に、花の美しさがどうのって云ってたよな?」
「おお。そんなこと云ってたな」
「事実を言葉で写生とか何とか…」
「よく覚えてるな。まぁ、名リリックだからな」
「で、不意に思い出したんだが、花は頭のてっぺんに生殖器を掲げているんだろ?」
「そうだな」
「花が枯れて、ごっそり落ちたら?」
「花が枯れて、ごっそり?」
「そう。ハラハラと、花びら1枚ずつとか散っていくならまだしも──ごっそりだぜ?」
顔を見合わせる二人。
「まぁ、今朝、庭でそんな光景を目撃したからお前の言葉を思い出したんだがな…」
「余計なこと思い出してくれたもんだぜ…」
色は匂えど 散りぬるを
我が世 誰ぞ 常ならむ──
「しょっぱいのぅ〜」