「他力本願の何が悪い?」
出し抜けに、男が咎めた。
「や、それは…」
それを聞いた男が口籠もる。
2007年11月 アーカイブ[7]
侭成らず
何かを得るとき何かを失う
何かを失うとき何かを得る
いつでも侭成らず
大切とは「大いに切ない」
と云う意味なのだろうか
それでも侭成らず
短い吐息を洩らす
静寂の暗闇
ひんやりと渇いた空気
固く冷やされたアスファルト
背を丸め 紫煙を燻らす
閉ざされた唇
僅かな光源に角膜を刺激される
凍り付くような静寂の暗闇
邪魔なベクトルが掻き消される
隔離された渺茫たる悲愴感
決して拭い去れない焦躁感
色のない世界で
蒼白い風が足元に絡み付く
憂さ晴らしより素晴らし
君が見ているもの。僕に見えているもの。
僕が見ているもの。君に見えているもの。
同じだったら、どんなに素晴らしいだろう。
憂さを晴らすより素を晴らす。
「素」が clear sky だったら、
「憂さ」はきっと cloudy
心模様の天気予報はニュースとしては成り立たない。降水確率などは曖昧な確証を数値化した無意味なレベル・パーセンテージ羅列。
大瀑布乱気流は誰にも予測できない。
予測不能より予測不要。
「素晴らしい」に意味や理由は要らない。
我が魂の命ずるままに──。