「よく頑張ったね」
彼が優しい表情を浮かべながら彼女の前に立った。彼女は涙をいっぱい溜めた瞳で彼を見つめた。
「神様が見ていたかどうかは知らないけれど、僕は君を見ていたよ」
その言葉に彼女は感極まった。堰切ったように彼の胸に飛び込むと、瞳いっぱいの涙を溢れさせた。彼がポンポンと頭を撫でる。
「頑張った人にはご褒美が必要だよね」
彼女は怪訝な表情を浮かべながら上目遣いで彼を見上げた。
「プレゼントがあるんだ」
そう云うと、綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出し、彼女に手渡した。
「これは…?」
「開けてご覧」
高鳴る胸の鼓動と共にラッピングを解き、箱の中身を取り出すと、彼女は小首を傾げた。
「これは… 何かしら…?」
彼は得意満面な笑顔で答えた。
「眼鏡だよ」
「それは分かるけど… あたし、眼は悪くないわ…」
溜まらず彼が吹き出した。
「そんなことは知ってるよ」
「じゃあ、どうして? 眼鏡を貰っても…」
彼は彼女の唇に人差し指を添えて遮った。
「それは『神様透視眼鏡』だよ。神様が透けてみえるんだ」
「神様透視眼鏡…」
「ああ。それがあれば神様の居処が分かるだろ?」
「居処…」
「居処を突き止めたら文句を云えばいい。どうしてきちんと見てくれないんですか、って」
彼女は穴が空いたように彼を見つめた。
God save me...
2017年11月 アーカイブ[3]
愉快
46年生きてきたが、なかなかどうして不愉快だ。
ただ、これほど生きても尚、不愉快であるということを知り得たことが愉快でならない。
45年しか生きていない者には、この気持ちは分かるまい。
それは、僕もそうだったからだ。
なぜ何もないのではなく、何かがあるのか
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
俺様ルール
「簡単な話さ。俺の云うことをみっつだけ利けばいい」
「みっつ」
「こんな簡単な話、ないだろ?」
「それは?」
「従え。平伏せ。奉れ」
「何様だし…」
Not at all. ←「どういたしまして」と訳すw
*2017.09.14・草稿