不可能考

「不可能」の対義語は「可能」である。

──のだが、この言葉の文節は「不可 ‐ 能」なのだろうか。それとも「不 - 可能」なのだろうか。

国語的には後者であると考えられる。

「不 - 可能」。

これは「可能」を打ち消す否定形であり、可能ではない、という意味だ。これを前者の文節で捉え直すとどうだろうか。

「不可 - 能」。

能力(機能)を許可しない、となる。
つまりは「可・不可」のブーリアン分岐である。
enabled or disabled. →有効・無効

こうなると「可能・不可能」の対義語に些か疑問が生じる。

有効・無効の設定は誰が行う?
→自身。
では、「不可能」側に倒すのではなく「可能」側に倒すことも可能なはず。
→有効・無効を許可するのは自身。

つまり、可能・不可能の分岐には「自身の意思」が介在している、ということだ。


 成功の反対は失敗ではない。
 何もしないことだ。

 不可能を可能にするのではない。
 ただスイッチを切り替えるだけだ。

我が魂の命ずるままに──。

*2019.03.20・草稿

___ spelt by vincent.