2010年4月 アーカイブ[4]

悪食の定義 - 美食家と悪食家より

先に起こした「美食家と悪食家」の解説がてら、脳内浮遊する球体バブルス共…要するに蛇足なり…を綴ってみる。

──「悪食の定義」である。

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美食家と悪食家

美食家と悪食家の会食。

脇目も振らず頬張る悪食家を見遣り、行列には決して並ばない美食家が云った。

「何処で何を喰うかより、誰と一緒に喰うかが問題だ」

悪食家が片眉を上げる。おもむろにナプキンで口許を拭うと、悪戯っぽく囁いた。

「何処で誰を喰うかより、何と一緒に喰うかが問題だ」

美食家の食指が一瞬止まる。

「成る程。面白い」

口許には冷淡な笑みが浮かんだが、笑みが解けると、やがて糧が運ばれた。

咀嚼そしゃくとは、ひと筋縄ではうまくない。

___ spelt by vincent.

愛の方程式

「わたしは誰も愛してない」と、その娘は云った。愛すると云うことがどう云うことだか分からない、と。

あなたには分かりますか? と。その質問には答えられなかった。

都合が悪いからではない。答えがないから答えることができないだけだ。

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神の溜息

神とは、何ものにも従属できない宙ぶらりんのシンボルである。或いは、存在証明を他者に委ねた、他力本願に裏打ちされたシグナルである。

故に、神の溜息など聴こえない。そして、聴こえないこと自体が神の存在を証明する。

とても静かだ。
凍てつくような静寂に包まれる。

___ spelt by vincent.