考えてみれば何ひとつ合っていない。
右といえば左。左といえば右。
大きなことから小さなことまですべてが真逆。
つまり、阿吽の呼吸の対極に立つ。
これが、恋愛関係を長続きさせるための秘訣なのだ、と痛感した。
例えば、仕事から帰って来て、ドカッと腰を降ろして安堵の溜息をひとつ。フィ~、ちかりたなぁ~。こんなとき、テーブルにお茶なりビールなりがスッと出されたとする。
普通なら「お、気が利くねぃ。ありがとう」てなところだろうが、それでは駄目なのだ。
気が利くということは、良くも悪くも結論に至るまでのプロセスが圧倒的に短い。中には早合点、早とちりも含まれているかも知れない。そういった誤解や曲解を解くためにもコミュニケーションや手続きなりが必要なはずなのだが、それらがすべてショートカットされてしまう。
ということは、相手と関わる時間や労力を割く必要が自然となくなってゆく。
詰まるところ、必然、遂には何もなくなってしまうのだ。
お分かり頂けるだろうか?
恋愛とは、極論、無駄を楽しむものだ。
あーしたい、こーしたい。でも、どーしよう。うまく伝わるかしら。
こーしようかしら… どーすればいいのかしら…
ん、あーすればいいわね。やっぱり、こーのほうがいいかも、でも…
非常に鬱陶しい。そして、途轍もなく魂を消費する。
だが、阿吽の呼吸だと、これらの雑事がすべてショートカットされる。
こーしたい→そーする。以上!
殊更、恋愛に関しては、仕事が出来てはいけないのである。
この超逆説はうまく伝わるだろうか?