アンニュイな雨の昼下がり

雨音を聞いていると
現われるはずもなかろう
君の足音が混じっていそうで

 耳を澄ましても
 目を凝らしても

果敢ない幻想だと思い知るのに
それほど時間は掛からないはずなのに

雨音と喝采とを重ね
そうして幾漠かの潤いを
渇いた心をなけなし宥める

アンニュイな雨の昼下がり

アッシュグレイの雨雲を眺めながら
いつもより長めに紫煙を吐き出す

___ spelt by vincent.