No special reason

極まったものには、さしたる理由はない。理由を必要としているうちは極まっているとは云い難い。

或いは、理由を追っているうちは成し得ることすら侭ならず、右往左往として雰囲気を楽しんでいるだけだと云える。

つまり、悪足掻き、である。

今、僕が極め切れないのは理由を探しているからだ。

否、寧ろ理由のいらなかったあの頃の少年のような、そんな気持ちに幻想を馳せているからかも知れない。

間欠泉のように噴出する衝動的な純然たる動機──。

そんな気持ちに幻想を馳せているからかも知れない。


極まったものには、さしたる理由はない。理由を必要としているうちは極まっているとは云い難い。

成し得ることとは何をせずとも成し得る。平たく、努力せずに頂きに到達する。

丁度、大気や宇宙が存在するように。理由は、ひとつもないのだ。


理由を必要とすることには成し得ないことのほうが多い。

理由を追っているからこそ、それに絡めとられ、呪縛され、自由を奪われた状態で臨もうとする。

故に、到達しない。


No special reason


僕の吐露にも特別な理由はない。綴りたいから綴っているだけだ。溢れるから繋ぎ止めるだけだ。

名もなき草花が誰かが見ていなくとも開花するように。

密やかな自慰行為を、苛立つ自身を宥めるため──。


ほら。次々と理由が浮かんで来ただろ?

だから、極まらないんだね。理由は誰よりも知ってるよ。

ん、そんな感じで♪

___ spelt by vincent.