2011年7月 アーカイブ[4]

シークレット・パラドックス

「秘密を打ち明けたい」
「秘密?」

「ああ。信頼している人にしか教えたくないんだ」
「そうか。僕は君の味方だ。何でも話してくれよ」

そう云うと、彼は曇りのない澄み切った瞳を見せた。覚悟を決めたように頷くと、少年が彼に耳打ちした。

「僕は誰も信じていないんだ」

少年の秘密を知った彼の瞳に髑髏が浮かぶ。

___ spelt by vincent.

鬻ぐ

鬻ぐ──と云う言葉をご存知だろうか。読みは「ひさぐ」。卑語の対義語である雅語に属す。

雅語とは、平安時代、和歌などに遣われた洗練された上品な言葉。正しいとされる優雅な言葉のことである。

或いは、「販売」の「販」に「ぐ」と送り仮名を付けても「ひさぐ」と読む。聞き慣れない言葉であっても、このような置換で大枠の意味を把握することが出来る。

鬻ぐとは、ご推察通り「売る。商いをする」と云う意味の雅語である。

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