厭離穢土(えんりえど)

人間万事塞翁が馬。禍福は糾える縄の如し。

放たれた矢は決して元には戻らない。生を授かった瞬間から既に矢は放たれている。顕在・潜在を問わず、厭が応にも、生の潰えるその瞬間まで──。

因果応報。
鏡面に映る自身に向かって総じて跳ね返る。
故に禍福は必然の蓄積。故に糾える。縄ごときでは括れぬほどに糾える。

それは「不完全」「未完成」が生む当然至極の「必然」。


病める者よ。健やかなる者を羨む事勿れ。
意識すればするほど、自身の望む解脱から遠ざかる。

健やかなる者よ。病める者を貶む事勿れ。
自身のその錯覚は過信を知ったときに蜃気楼を思い知る。


あらゆる一切の本末転倒した妄想を遠ざけて、

我が魂の命ずるままに──。


コメント

2006年09月11日02:10 vincent.

羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経

2006年09月11日02:17 vincent.

「未完成」こそ「完成形」の頂点──。

2006年09月11日20:07 vincent.

病める者と健やかなる者の境界は紙一重。
ほんの薄皮1枚ごときに翻弄され、右往左往と恥を晒す。

自身の括った高ほど当てにならぬものはない。強烈な思い込みや激烈な勘違いに依って、厳格で辛辣な真理に触れることから遠ざかる。

それは他我や取り巻く周囲の環境の所為ではない。自身の崇高なる宇宙の前には、それらは雑兵の類い。

血迷って愚劣で救い難い無限ループを巡っているのは、自身の愚かさを思い知る鉄槌に他ならない。

逃げ切れるものではない。
自身の生の朽ち果てる瞬間刹那まで、自身の意識の侭なるうちは抗いようもなく怒濤の大瀑布。

故に、死ぬまで生きるだけ、と云う極々自然を営む。工作を施そうと試みるから不自然となる。

「ありのまま」とは、そういうこと。

衣服を剥ぎ取った素っ裸ではなく、自身の真の魂の姿を、臆せず、狼狽せず、躊躇せず、ただただすべてを受け入れること──。

そんな風に感じる。

2006年09月11日20:12 vincent.

ありのまま。有りの儘。

存在の肯定。

自身が自身の存在を肯定する。

例え、枯れ果ててしまっても、
例え、朽ち果ててしまっても、

自身が自身の存在を肯定する。

自身の魂は神ですら蹂躙する資格と権利を持たない。


えんり-えど 【▼厭離▼穢土】
〔仏〕けがれた現世を嫌って離れること。おんりえど。
ごんぐ-じょうど 【▼欣▽求浄土】
極楽浄土に往生することを願い求めること。
___ spelt by vincent.