今までの人生で 味わったことのない感覚
不思議な感覚だ──
実体は 目の前にあり
紛れもなく 現存しているのだが
圧迫しない
他に 何かしらの影響を
及ぼさない訳ではないが
窮屈ではない
夢と現を彷徨っているような
それでいて
秩序だったカオスを ロジカルに──
控えめでもなく 横柄でもなく
存在を主張する
「非現実を抱く」
もしかしたら
これが「超現実」というものかも知れない
Mobile phone
現代人の必携ツール 携帯電話
ビジネスライクに考えれば 無味乾燥
繋がっていたい と 離れてしまいたい
矛盾 乱気流 感情のハリケーン
一喜一憂の美学
不在着信あり 未読メールあり
気付いたときに 着歴を見 メールを読み
「何の用やぁ ったく」と
「あぁ ゴメンよぉ…」
矛盾 乱気流 感情のハリケーン
一喜一憂の美学
携帯電話が不携帯電話のときでも
俺は いつでも 君と繋がってるよ
魂のMobile phoneは 君だけのために──
Sweet whisper
受話器から溶け出すように洩れる
耳をくすぐる 甘い 甘い囁き
ときに嬉々とし ときに悩ましく
柔らかい毛布に くるまりながら
切なくて もどかしい 時間が過ぎてゆく
眠ることさえ 惜しみながら
切るタイミングを 探しあぐねながら
甘い囁きと 甘い吐息が 絡み合う
聴覚だけが頼りの ふたりだけの空間
甘い囁きと 甘い吐息で 紡ぎ出す
Sweet whisper
君だけに 囁きたい──
Life has no meaning...
親父に鍋を振る舞った。
ガード下の居酒屋。
「今日、お前の母親の誕生日やな」
「あぁ、せやねぃ」