信・不信

期待するから 失望する
過不足なく とは 云い難く
補充 補填とばかりに
寄り添い 互いに 凭れ合う

足りないものを 埋めようと
自身の甘さに 四肢悶絶ししもんぜつ
自身の弱さに 五臓捻転ごぞうねんてん

そもそも 備えてないならば
備わってないのを 知ったなら
歯痒さ募る 空転から
悩まず 安易に逃れるものを──

「執着心」が邪魔をする
「強烈な仮定」が目を塞ぐ


「信・不信」で 計ろうとするから
「信・不信」で 括ろうとするから
「疑念・疑惑」が 浮上する

「信・不信」は
「自身の判断」を問われている訳ではない
そもそも その概念すら 掻き消すべきだ

覚束ない「自身の判断」に依ることなく
揺るぎない「魂の咆吼」を聞け

「不信感」とは 自身の「疑惑」が捻出した
そもそも 有り得ない 後付けの感覚

余計なものを 纏うから
余計なもので 覆うから
「本質」から 遠離る

そして 虚しさ だけが 絡みつく


「教育」と云う「刷り込みの偽善」を
自身の魂から 切り落とせ 削ぎ落とせ

「自」すら「信・不信」で計れぬのだから
「他」を「信・不信」の篩に掛ける事勿れ

他に「疑」を向ければ
自にも「疑」が降り懸かる


そもそも 疑わなければ 翻らない──


精神の制御は 自身の舵取り如何
他に委ねずに 自身の赴くままに

___ spelt by vincent.