昨夜… と云っても正確には今日の午前3時頃、ゆうちゃんから連絡があった。
「アニキ、何してるのかなぁ思って」
ま、フツーは寝てるわなぁ。オイラ起きてたけど。笑
「最近、連絡なかったから寂しかったんですよぉ」
うひゃひゃ。コイツ、アホや。
「オイラ仕事してたよ。ドコおるんやぁ? 今から行くよ」
「マジすかぁ!?」
「ネマキのまま行くよ♪ ちょっと待ってろ」
「ぢゃ、待ってマース☆」
オイラ、ホンマにネマキのまま行った。笑
店はFADDISHと云う近所のバー。
店長はオイラとタメの晋ちゃん。
ガタイはオイラよりガッシリやけど、
山男にゃ惚れるなよ、てな感じの
ひげ面のナイスガイ♪
着くや否や、
「お! vinちゃん。いらっしゃーい☆」
「お☆ 晋ちゃん。相変わらず今日もイイ男やねぃ♪」
「またまたぁー」
「いやいやぁー」
などと、あることないこと。笑
まぁま、喋くり合ってチチクリ合って…
や、チチクリはせーへんけど。笑
ほどなく、ゆうちゃんが
「あ、アニキ。ホントに来た」
「せやでぇ。『偶然だね…』 うひゃひゃ」
「待ってたんですよぉ。こっち来てくださいよぉ」
クリクリの坊主頭が嬉々として席を案内してくれた。
「晋ちゃん。オイラいつもと違う黒ビールちょーだい」
「あいよー」
まぁま、そんなこんなでゆうちゃんと呑みながら、あーでもないこーでもないを喋くり合った。
嬉しそうな笑顔が印象的だった。
ほどなく、Sammyがギターケースを抱えて突入してきた。
「いやぁ、XtwoBで、まぁま、あーでもないこーでもない… あれ? アニキ? 今、XtwoBで…」
「おお、Sammy☆ ご機嫌やねぃ♪ 弾き語りかい?」
「今、XtwoBで…」
「まぁま、落ち着けよ。な?」笑
Sammyの話はどーでもえぇんやが、聞くと、今日は晋ちゃんの誕生日☆
それで「ハッピーバースデー」を歌いに来たんだそーだ。
「でも、オイラ、ハッピーバースデー歌えないんですけどね」
アカンやん。笑
「でも、何かプレゼントしたいんですよぉ」
「お☆ 美しいねぃ♪ 何かやったれ」
「ぅいっす!」
Sammyは何だかを引っ張り出してきて、カウンターの上に置いた。
ページをパラパラとめくって、
「あ! これだ。これ行こう♪」
「おう。それ行っちゃうべき☆」
ギターのチューニングをしながら、
「オイラが高校生のとき作った歌ですよー結構ウケ線の」笑
「お! いいねぃ♪」
「ぢゃ、行きマース♪」
ジャカジャカとギターを掻き鳴らしながら、酒で灼けたノドで歌声を響かせた。
オイラは黙ってズブロッカのロックを呷った。
曲が終わると、晋ちゃんが、
「Sammy。スゴイねぃー高校んとき作ったのぉ? いやぁ、ありがと。嬉しいよ」
「やぁ、お恥ずかしい…」
そんなが心地よかった。
高価なプレゼントも嬉しいだろうが、無形のプレゼントにも心が動く。
オイラとタメやけど、今日で1コ上になった晋ちゃんに、
「先輩! おめでとーございます☆」
と云った。
まぁま、あーでもないこーでもないをさんざやって、ほどなくお開きに。
オイラを呼び出したゆうちゃんは、目ぇアカンたれの半クラッチ。笑
ま、休みの前日やぁ。そんなもえぇんちゃうかしら☆
あ、店の女の子。名前はよーこちゃん♪
よーこちゃんの左手の薬指に指輪がはまってた。
「今度、結婚するんですよぉ」
ほう…
「そっか。おめでとー。いつ?」
「6月かなぁ?」
「ジューンブライドやねぃ♪」
「うふふ」
眩しい笑顔が痛かった。
ゆうちゃんは夢の中の住人に。笑
叩き起こして、
「ゆうちゃん。知ってたの?」
寝ぼけ眼で、
「あ? あぁ、知ってましたよぉ…」
「そっか… えぇんや?」
「関係ないですよ。それでも俺は好きですよ?」
『漢』や。や、の前に一個の人間や…
「せやねぃ♪ ゆうちゃん。かっちょえぇなぁ♪」
「今頃、気付いたんですかぁ?」笑
阿吽──
男や女、性別は関係ない。
一個の人間として、
命を宿す一個の生命体として。
計れないものを計ろうとせず、
感じたままを、感じたままに。
そんなが『自然』と滲み出す。
それらが噛み合ったとき──
「阿吽の呼吸」を感じるのかも知れない。