自由が故に自由に拘束できると云う権利。
その権利を自由に行使せねばと云う義務。
その義務感から生ずる感情を「焦燥感」と呼ぶ。
確かなものを固めたいが固まらず、謂れのないことを咎められるような──。
罪悪感にも似た自己嫌悪に囚われる。
自由と云う名の拘束。
やはり、どんな拘束よりも強靭な拘束。
指先が切ない
握り締め切れない健気な拳が愛おしくて。
透き通るような白い肌に浮かぶ管が目映い。
紡ぎ出される意味ありげな符号の数々。
どれも指先の角度ひとつで吐息に変わる。
嗚呼、奥ゆかしい。
放置された銀灰色混じりの頭蓋鎧。
見る者に初老の偶像を象らせ、内蔵された独自達観と青臭い殉情を霞ませる。
堆積された白銀の数だけ集まる金子の多寡。揃えば揃うほどに現実の警鐘から遠離る。
嗚呼、指先が切ない。
残った琥珀色の液体で喉を灼く。
溜息と共に紫煙を吐き出す。
【YouTube】Metallica - Blackend
Metallica - Blackend
Metallica - Seek and destroy
Metallica - Seek and destroy
vincentonic love - 前世の記憶を紡ぐ
記憶から想起までの過程は以下の通りである。
記銘(きめい)→保持(ほじ)→再生(さいせい)→想起(そうき)
ステップ毎の詳細について。
記銘とは、記憶の第一段階。経験内容を覚えこみ、定着させる。銘記(めいき)。
保持とは、記憶の第二段階。記銘された経験内容が量的には減少し、質的には変容しながらも残存・維持される過程。把持(はじ)。
再生とは、記憶の第三段階。記銘され保持された経験内容を再現する。
──このような段階を経て、人は「想起」する。
マーブリング・ワルツ
ふと窓の外に眼を遣る。
くすんだ雲間から星たちがチラつく。
紫煙に燻されながら陽炎が立ち昇る。
飴細工でできた甘いタンジェリンな高架灯。
ヘッドランプとテイルランプの描く軌跡粒。
リバーサイドを縫うマーブリングな色彩。
蒼月を仰ぐ光りを失ったイカスミの川面。
思考繊維に絡まった雑事を棚上げの美学。
星陰さやかに的外れなワルツを刻む──。
山崎デイリーストアにて
「あら。近くに住んでるんですか?」
ふと視線を向けるといい女の笑顔。
僕は二徹明けでフラフラのまま、近所のコンビニで立ち読みをしていた。