傾ぐ自由を弄ぶ

自由が故に自由に拘束できると云う権利。
その権利を自由に行使せねばと云う義務。

その義務感から生ずる感情を「焦燥感」と呼ぶ。

確かなものを固めたいが固まらず、謂れのないことを咎められるような──。

罪悪感にも似た自己嫌悪に囚われる。

自由と云う名の拘束。
やはり、どんな拘束よりも強靭な拘束。

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勢力関係考

人は、それぞれのテーゼに基づき、己の掲げる「理想」へ至ろうと欲する。

「理想」の定義はさておき… 理想とはどんな綺麗事を並べようが、極論、私利私欲。

自己中心的でない人間などこの世に存在しない。本来、自分さえ良ければ他人はどうでも良いのだ。

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指先が切ない

握り締め切れない健気な拳が愛おしくて。
透き通るような白い肌に浮かぶ管が目映い。

紡ぎ出される意味ありげな符号の数々。
どれも指先の角度ひとつで吐息に変わる。

嗚呼、奥ゆかしい。

放置された銀灰色混じりの頭蓋鎧。
見る者に初老の偶像を象らせ、内蔵された独自達観と青臭い殉情を霞ませる。

堆積された白銀の数だけ集まる金子の多寡。揃えば揃うほどに現実の警鐘から遠離る。


嗚呼、指先が切ない。


残った琥珀色の液体で喉を灼く。
溜息と共に紫煙を吐き出す。

___ spelt by vincent.

【YouTube】Metallica - Blackend

Metallica - Blackend

___ spelt by vincent.

Metallica - Seek and destroy

Metallica - Seek and destroy

___ spelt by vincent.

高きから低きへ

水は高きから低きへ──。

純粋な自然現象のひとつ。
これを自問自答の命題として捉えてみる。

高低差が低ければ「河」。
高低差が高ければ「滝」。

それぞれがイメージされ、自身の内面世界と符合する。

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undefined

例えば、禁欲と云うマスターベーションを据えた時点でストイックと云う定義から外れる。

ストイシズムを貫きたい、満足させたい、と云う新たな「欲」が既に芽生えているからだ。

一事が万事。定義を敷けば敷くほどその定義から遠離る、と云う矛盾。

論理的整合性など、パラドックスの前では為す術もなく、悉く駆逐されるのだ。

つまりは「全滅」と云うことである。

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vincentonic love - 前世の記憶を紡ぐ

記憶から想起までの過程は以下の通りである。

記銘(きめい)→保持(ほじ)→再生(さいせい)→想起(そうき)

ステップ毎の詳細について。

記銘とは、記憶の第一段階。経験内容を覚えこみ、定着させる。銘記(めいき)。

保持とは、記憶の第二段階。記銘された経験内容が量的には減少し、質的には変容しながらも残存・維持される過程。把持(はじ)。

再生とは、記憶の第三段階。記銘され保持された経験内容を再現する。

──このような段階を経て、人は「想起」する。

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マーブリング・ワルツ

ふと窓の外に眼を遣る。

くすんだ雲間から星たちがチラつく。
紫煙に燻されながら陽炎が立ち昇る。

飴細工でできた甘いタンジェリンな高架灯。
ヘッドランプとテイルランプの描く軌跡粒。

リバーサイドを縫うマーブリングな色彩。
蒼月を仰ぐ光りを失ったイカスミの川面。

思考繊維に絡まった雑事を棚上げの美学。
星陰さやかに的外れなワルツを刻む──。

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