ラプソディとエレジーのランデヴー

ラプソディとエレジーのランデヴー。

歯痒い心地好さに脳天が痺れる。

不可解にKISSすると、
刹那の海に溺れることを厭わない。

馬鹿は何度死んでも治らない。
だから、うまく付き合うしかない。

付き合い方が覚束ないから、
だから……


ラプソディとエレジーのランデヴー。


救われないのならば救われない。
求める情熱を埋葬して──。


ラプソディとエレジーのランデヴー。


我が魂の命ずるままに──。

___ spelt by vincent.

ダブルミーニング

一緒──。

「同じ」と「共に」のダブルミーニング。

 ずっと一緒がいいね。
 ずっと一緒に居たいね。
 精神的にも、肉体的にも──。

綴ると、途端に陳腐だね。
それでも溢れてしまうんだ。

おバカでごめんよ。
聞いてくれてありがとう。


 逢いたい。。触れたい。。包みたい。。


わがままな僕を許してね。
君のわがままもぶつけてね。

だって、一緒なんだから、
それが自然でしょ?

 逢いたい。。触れたい。。包みたい。。
 逢いたい。。触れたい。。包みたい。。

わがままな僕を──。

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近くて遠い空の下で

姉の誕生を祝うあなた。
せめて密やかに缶ビールで祝杯を。

あなたの安否を案じながら、
モニタ越しの想いを汲み取る。

陸の孤島同士の連絡船は、
不便だからこそ
焦がれるように狂おしい。

心鎮めて 穏やかに
ひとり 静かに
紫煙を 燻らす──。

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大小様々の円

大小様々の円──。

円の輪郭は境界なのか柵なのか檻なのか、甚だ不明ではあるが、いずれにせよ、その円の中から外れないように、或いは、溢れないように、規則的に、ときには、不規則に、その円の中で一連の挙動が終始する。

大きい輪、小さい輪、と云ったほうが分かり易いだろうか。いずれにせよ、そこからはみ出してしまうことを何よりも恐れ、不安がっているようにも見える。

私は、どの円にもどの輪にも属さない。或いは、私は、どの円でもどの輪でも属せる。

属さないからこそ属せ、属せるからこそ属さない。

「色即是空」「空即是色」と云う言葉が頭に浮かぶ。

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順番

「順番ってそんなに大事なものかい?」
「いいえ、そんなことつまらないだけだわ」

「後付けでも構わんと?」
「ええ、わたしはね」

「何だかゾクゾクするね」
「ワクワク──じゃない?」

「似たようなものさ。例えば君はどんなのがお望みかな?」
「今まで感じたことのないような──」

「感じやすい?」
「誰彼って訳じゃないわ」

「差別だな」
「区別よ」

「境界線には誰が?」
「わたしが番人よ」

「一線を越えることは?」
「順番待ちよ」

___ spelt by vincent.

概念の宇宙観

「見ているものが違うんだよ──」

ロックグラスの中の氷をカラカラとやりながら男が呟いた。隣りに坐っている男が訝しげな視線を投げる。

「見ているものって?」

ロックグラスの男が鼻で笑う。

「訊けば見えるとでも?」

隣りの男が閉口する。ロックグラスをひと口舐めてから、ゆっくりと云った。

「見えているものが違う、が正しいかな?」

隣りの男は依然訝ったまま。そんな彼に視線も向けず、ロックグラスの男は愉快そうに肩を揺する。

___ spelt by vincent.

自己中心的 - 世界の中心

「ねぇ、世界の中心って何?」

目許の涼しげな男が無表情なまま問う。

「君の世界の中心は、って訊いてるんだけど」

問われた男は何も応えない。

「僕の世界の中心は僕。誰にも譲らないよ」

問われた男の視線が泳ぐ。

「世界の中心が他所にある人のほうが危なっかしい。所詮、他人は他人、中心になれる筈がない。それは肉親でも兄弟でも同じこと。自分以外はすべて他の人格だし、制御不能だからって愚図ったりする訳でしょ?」

畳み掛けられた男の額には脂汗が滲む。

「ねぇ、君の世界の中心って何?」

一念発起したように、

「じ、自分です…」

とモスキートボイスが洩れ出した。無表情な男の口許が僅かに緩むと、緊迫した空気も弛緩した。

「グラグラだね──」

天使のような微笑みを浴びせられた男は視線を落とすだけだった。

___ spelt by vincent.