常々、僕は「矛盾」について説こうとしている。否、寧ろ矛盾がデフォルトである、と──。
「矛盾」を基軸に据えると、割りと難解だと思われる要素なりも簡単に氷解したりするから不思議だ。
と同時に、やはり、そうなのだ、と。「矛盾の真理」に至ることができる。
正解などない。
──よく見聞するフレーズだが、無論、万物を包括・網羅する正解はない。
だが、一事について何処までも深く突き詰めてゆけば、「矛盾」と云う最も汎用性の高い、絶対的で理不尽な「正解」へと辿り着く。
正解などない。
このフレーズが既に「矛盾」を示唆している。何故、ないものを追おうとするのか──?
故に、「矛盾」こそ「不動の真理」である、と云える。
矛盾がデフォルト。
その前段階で見える正解(と思しき解)など取るに足らず、限りなく「不完全」なものに違いない。
未完成こそ完成形の頂点。
やはり、我々人間は生まれた瞬間刹那から結果を伴った完成形であり、余剰の余剰の上に成り立った、最も愚かで迷惑な「不要物の頂点」なのだろう。