シャイな情熱をアルコールで稀釈して

「一杯飲むといいわ。グラス持たないと喋れないでしょ?」
「や、ずっと独りでお喋りしてるさ」

「そう」
「シャイだからなかなか応えてくれない」
「きっと応え方が分からないのよ」
「そうかもな。知らないことのほうが多い」

「誰と喋ってるの?」
「情熱的な奴さ。や、しつこいだけかな?」
「うんざりね…」
「ああ。だが、離れられない」
「あら。あなたも情熱的なのね」
「や、世間の眼よりドライでクールさ」

「応えてくれないのに何故訊くの?」
「何故、応えてくれないのか訊いてるだけさ」
「簡単よ。応えたくないからよ」
「そうか。じゃ、君が代わりに云ってやってくれよ」
「誰に?」
「──君の目の前にいるさ」

「そう。じゃ、一杯飲むといいわ。グラス持たないと……」

___ spelt by vincent.