日常をすり抜けた装いをバッグに詰め、眠りかけた街並のアスファルトに靴音を響かせる。踏切で足止めを食い、しばらく耳障りな警笛を聞いたあと、思い出したように附近にある居酒屋の軒をくぐった。
ネグラ・モデロと頬を撫でる夜風
土曜日の夜、久しぶりに地元へ帰った。
地元と云っても育ちの地元。足立の僻地。
木曜日の夜、請求書未到達のクライアントに直接、手渡しで持って行った。
事務所から1コ離れた駅前にある居酒屋。
i think about
2月24日(金)大阪へ行った。
アカシックレコードなるインディーズ・バンドのライブ。ライブ会場へ行くのに、かなり手こずるも無事到着。
2、3曲目で不覚にも不覚をとる。
歌い手のしゃがれた声が胸に突き刺さった。
寂しいときには「寂しい」と云う。
悲しいときには「悲しい」と云う。
そんな当たり前のことがうまくできない。
多分、理由もなく頬を伝う液体が今の俺を表しているのだろう。
『かなり病んでるな…』
サングラスをしていて良かった、と苦笑した。
潮流
より多くのものを求めるから、疎外感や喪失感、或いは、寂寥感や孤独感を抱く。
何事も分相応。
己の身の程と丈を知れば、分かり得ぬ事をも知り得る。求めるばかりではなく、ただ、愚直に、直向きに。
厳格さ、辛辣さに怯むことなく、潔を以って真摯に受け止めよ。
目に見えぬ大きな潮流に呑み込まれることなく。
我が魂の命ずるままに──。




