ネグラ・モデロと頬を撫でる夜風

Negra Modelo

土曜日の夜、久しぶりに地元へ帰った。
地元と云っても育ちの地元。足立の僻地。

木曜日の夜、請求書未到達のクライアントに直接、手渡しで持って行った。
事務所から1コ離れた駅前にある居酒屋。

新設会社のロゴ・デザインを頼まれた訳だが、先方のオーナー親子、痛くお気に入りの様子で、個人的なお礼と云うことで、手土産を持たせてくれた。

 裕次郎ばりのブランデー
 コニャック「クロヴァジェXO」

『オイラ、バーボン党やっての』と云う心の声に反して「ありがとうございます☆」と。大人って、大人って。。苦笑

そんなこんなで、曰く付きの酒をブラ提げて地元へ帰った訳だが、世話になってる人の役に立てばと云うことで、その頂き物をFaddishに献上した。。☆

「vinちゃん、ありがとー☆」
「や、オイラ、飲まねえからよ。ブランデー・カクテルんとき、それ使えばいーじゃん☆ ちょとカッコイイぜぃ〜♪」

カウンターにはいつものメンバーが犇めいていた。何でも、これからスノボしに山へ行くらしい。参加メンバー中、女の子がひとりだけ混じっていたのが少し気がかりだった。

あ。スノボ・チームのロゴ入りステッカー!
ちょと待ってろよー デザインは出来てるんや。後は、印刷代何とかするだけやなぁ〜w

ひとりだけスノボに参加できない、久しぶりに会った兄弟が悲しそうな顔をしていたのが印象的だった。

「わ。ヤバ。。マジ、涙出そう。。」
「まぁま。またの機会に。。な?」

参加メンバーの身を案じ、手を振って見送ると、ひとりだけ反対方向へ向かう自転車が1台。

彼は家の事情で余り自由に行動できないのだった。その事情は、彼の相方から聞き及んでいたので、深く干渉するつもりはなかった。『元気にしてる?』と案ずるくらいだ。

目を細め、しばらく眺めていたが、何事もなかったように店内に戻った。

ネグラ・モデロを飲み、ロコモコを平らげ、しばらくぼんやりとしてから店を出た。

午前1時を少し回っていた。固く冷やされたアスファルトが靴底から伝わる。時折、頬を撫でる夜風がヒリヒリと滲みた。

___ spelt by vincent.