新鮮

新鮮みを保つためには、新鮮さを心掛けることが肝要。

「慣れ親しむ」の「慣れ」の部分が「麻痺」に変わると、途端に「礼儀」が欠如する。

「愛は感動。慣れは破局」

そう嘯いた先輩があったが、なかなかに言い得て妙。

だが、僕は「慣れは愚鈍」と括り直した。
「麻痺」を「痺れ」と換言し、「痺れ過ぎや。どんなにもだよ?」と。


いつ会っても「初対面」のような心地好い緊張感と清々しい感謝の気持ち。

そんな新鮮さをいつも心掛けたい。

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寂寥感 - 大事な妖精

しばし棚上げして、今は自分と向き合おう。

「僕が居なくても大丈夫」
「わたしが居なくても大丈夫」

否、

「あなたが居た」

溶け入るように自然だ。何の矛盾もない。
陳腐な妄想は払拭された。

ありがとう。僕の大事な妖精──。

___ spelt by vincent.

素直な接吻

受話器から洩れ出した「はい」と云う音。

消え入るようなか細さと、
健気な素直さが入り混じる。

従順さを示す言葉ではなく、
自然発生的に紡ぎ出される音。

残り香のように鼓膜に焼き付く。
心地好いフレーバー。

眼を細め、おやすみの接吻を──。

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背徳感

パブリックな場での破廉恥な行為。
いけないことだとは知りつつも…
やめられない。とまらない。

左脳と右脳がうまく機能しないんだ。
俺の世界では「必然」──。

源泉から湧き水が滾々と湧き出すように、
止め処なく次から次へと溢れてくるように…

華奢な身を捩らせ、快感に歪む妖精の苦悶の表情が、

たまらなく愛おしい… 狂おしいんだ……


潤んだ花園が 甘美な馨りで 満たされる
そうすれば 空洞も 少しは 満たされる

そんなデタラメな空想が、
そんな思い上がった妄想が…

逆巻く感情と理論のトルネードが、
灰色の脳細胞を掻き乱すのさ

そして、自然に…
自然に、指が、躯が、動いてしまうのさ

俺の世界では尤もらしい理論が
──背中を押すのさ


ゆっくりと、じっくりと
女の悦びを調教したい。

___ spelt by vincent.

deracine

あらゆる本末転倒した妄想を退け、
我が魂の命ずるままに、
我が魂に殉ずるものなり。

求めるものが、欲するものが、
其処にあろうと、なかろうと。
自身の魂を抱いて殉ずるものなり。

我、流離いの夢追い人なり──。

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Silent shout

回避不能な逃避行。
身震いするよな背徳感。
声にならない慟哭。情熱。
滅茶苦茶なセンテンス──。

それら 浮遊する球体を
ひとつ ひとつ 丁寧に
自身の魂に刻み込む。

我、流離いの夢追い人なり──。

___ spelt by vincent.

Keep silent

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闇の中で銀色の翼を研ぐ。
そして、丁寧に毛繕いを。

喉が裂けるほどの静かなる咆哮を──。

___ spelt by vincent.

Beginning of Art in Autumn

まだ起き出す前の透明な朝。肌寒さを感じながらアスファルトに靴音を響かせる。

水道タンクの塔を仰いで目を細める。途中、保育園を横目で見やる。園児募集の張り紙に口許を緩める。

哲学堂公園の前にあるセブンイレブン。胃の腑に収めるべき某かを幾つか見繕う。

荷物をブラ提げて高い空を仰いだ。さざれた雲が赤紫色の薄化粧を細く纏う。

デジカメを保有していない事を少し悔やみながら、引き締まった大気を肺腑に取り込んだ。

___ spelt by vincent.

Origin

オリジナリティとは何か?

さもお為可笑しく論ぜられる要素のひとつと云えよう。何を以て「オリジナル」と称するのか。定義の分岐が四方八方に乱れ飛ぶ。

また、これを以て天下の作り手に対して、根拠不確定な能書きを捻り出して、何とかやり込めようとする向きさえある始末。

「もう少し、オリジナリティを…」
「寝ているときに云うのが寝言ですよ?」(微笑み

白昼夢ですか? と問い正したい。小一時間ほど詰問したい。

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