Beginning of Art in Autumn

まだ起き出す前の透明な朝。肌寒さを感じながらアスファルトに靴音を響かせる。

水道タンクの塔を仰いで目を細める。途中、保育園を横目で見やる。園児募集の張り紙に口許を緩める。

哲学堂公園の前にあるセブンイレブン。胃の腑に収めるべき某かを幾つか見繕う。

荷物をブラ提げて高い空を仰いだ。さざれた雲が赤紫色の薄化粧を細く纏う。

デジカメを保有していない事を少し悔やみながら、引き締まった大気を肺腑に取り込んだ。

___ spelt by vincent.