無自覚に対する評価

無自覚に対する評価とは、端的に云うと、当人にその自覚がないにも関わらず、他人がそうだと勝手に思って(決め付けて)いる、ということだ。

その他人の観点からすると、その当人を見る基準──つまり、前提ということになる。

色眼鏡という語彙に準えれば、フィルターとも換言できるだろう。

人を色眼鏡で見てはいけない、という禁則事項を知りつつも、人は独自のメソッドでフィルタリングしてソートする。

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嘘でも残るもの

「余程の利口か余程の馬鹿と見た」
「大概どっちかだろ?」
「そうか?」
「そんなもんは予想とは呼ばねえよ」
「予想じゃねえよ」
「じゃあ、何なんだ?」
「教えてやろうと思ってな」
「何を?」
「お前はどっちかってことをだよ」
「ほう。じゃ、俺は利口なんだな」
「何故?」
「知れば馬鹿じゃいられない」

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健忘の彼方へ

泣くとすべて忘れる。

嬉し涙。悔し涙。感動の涙。失恋の涙──。
記憶に残っているのは泣いたという「事実」だけ。

何故、泣いたのか、どういうシチュエーションで泣いたのか、どうして泣いたのか…
不思議と悉く何も残らない。

泣くとすべて忘れる。

泣くという行為は、健忘という自己防衛本能のひとつなのかも知れない。


最近、とんと涙に縁がない。
記憶は鮮明だが、取り立ててピックアップする事柄もない。

それはそれで悲しい。
よし、泣こう。

あ…

そんな感じで♪

*2016.12.21 草稿

___ spelt by vincent.

可笑しな日本語

「理屈抜きで間違ってるよ」
「や、正しいとか間違ってるってのは理屈があって揺れ動く訳で…」

「整合性抜きで間違ってるよ」
「や、それ抜いたら基準なくなってまうし…」

「間違っても間違ってるよ」
「そう。もうね。全然、正しくないじゃん! 間違ったら間違いやん? そこに仮定はないのよ、お分かりちゃん?」

「間違いなく間違ってるよ」
「だから、どっちなん?」

「どう考えても考えられないよ」
「ハナからいっこも考えてへんやんけ…」

「間違いか正しいかなんて考えられないよ」
「や、考えろよ」

「逆に、相手の立場になって考えてみてよ」
「どうあってもお前が正なんやな? どっちが自己中やねん… つか、ちょ待てよ──お前が俺に向かって何か云ってるってことは、俺の相手てなお前ってことだよな? で、相手の立場てなお前の立場ってことになるんだが、その逆ってことは、跳ね返って俺の立場のことを差す。な? 『逆に』てのがどんだけ可笑しな表現か分かったか? 『逆に』なんて、逆に云わんでえーねん、逆に」

「分かるか分からないかなんて分からないよ」
「分かっとるやん! 『分からない』云い切っとるやんけ」

「信じるとか信じられないとか信じられないよ」
「ハイハイ、信じられないのね…」

「あり得るとかあり得ないとかあり得ないよ」
「もうね。全体的に力一杯、理屈抜きで間違ってるよ、君は…」

*2016.08.29 草稿

___ spelt by vincent.

シナプス

アニメ「昭和元禄落語心中」のワンシーンから「美鈴屋」→「みすずや」と黙読。

確か「鈴」は「レイ」とも読むなぁ、と。
→「美麗屋(びれいや)」。ウム、美しい。

横道。「北方→喜多方」。「焼き物→御家喜物」等々、日本の言葉遊びの雅を感じる。
これらの派生が「駄洒落」なのかなぁ、と。

「鈴」に戻って、
鈴の音→鈴音→りんね→輪廻。

「輪廻」はサンスクリットでサムサラ。
ああ、GUERLAINの香水SAMSARAはここから… と命名の由来に。


何てことない脳内シナプス事始め。
酉年だけに酒られない。
毎度、vincent. 今年も宜しく。

三歩歩けば大体忘れる。<ダメじゃんw

そんな感じで♪

___ spelt by vincent.

当たり前の基準

腹が減ったらどうする?
眠くなったらどうする?

そんな当たり前のことすらできない。
だから、泣き叫ぶ。

子を持って初めて気付くこと。
自分の当たり前は自分だけしか通用しない。

食べる方法も眠る方法も何も知らない。
だから、泣き叫ぶ。

大人の流す涙がどれほど汚いのか──。
思い当たる節々に見事に突き刺さる。

そんな善人ぶった綺麗事を余所に、
苦笑を浮かべながらアルコールで喉を灼く。

良いお年を。

___ spelt by vincent.

そういうんじゃねえんだよなぁ

好きとか嫌いとか…
分かり易くそう云ってるだけで
そういうんじゃねえんだよな

命を預かる、育むってのはさ
好き嫌いじゃねえだろ?
好き嫌いじゃやってらんねえよ

死ねるか死ねないかって問題だろ?
俺はそう思う

好きとか嫌いとか…
そういうんじゃねえんだよなぁ

分かる?
って、分かんねえだろうなぁ…

そういうんじゃねえんだよなぁ…

___ spelt by vincent.

信疑の真偽

「信じるの反対って何だと思う?」
「疑う?」
「違うわ。信じない、よ」
「──!? じゃあ、疑うの反対は?」
「疑わない、よ」


この定義の差異が決定的な差異を生む。
対義語では表現し得ない真偽がここにある。

ベースを揺るがすとは、こういうこと。

___ spelt by vincent.

hulu 視聴履歴

隣の女
隣の女


「渡る世間は鬼ばかり」の石井ふく子初の2時間サスペンス。

高島礼子演ずる「立原さち」が偽名であることを説明するシーンがあり、刑事役の小林稔侍扮する「後藤田祐太郎」の説明に矛盾があった。

「さちは幸せの幸」と漢字を言っていたが、後の手紙のシーンでは「池上さち」と。

何それ?

後藤田の登場にも違和感と猜疑心しか生まれなかったし、肝心の被害にあった全財産について何の解決も見せないままに、ほのぼのエンド… まったくの消化不良感を否めなかった。

宮部みゆき「長い長い殺人」
長い長い殺人


原作は100万部を記録した宮部みゆきの同名小説。登場人物の「財布」の目線が持ち主の日常や心の闇を浮き彫りにする、とあったのだが…

原作を追っていないので何とも評し難いが、財布目線のストーリー展開は擬人的でなかなか面白いとは言え、物語の核心には大して役立っている様子もなく、何が画期的なのかと問われると非常に悩ましい…

で、あろうことか、こちらも真の悪党の結末が曖昧で何とも腑抜けた終わり方…

流石に2作続けて消化不良ともなると、自分の感覚を疑うより他ない。


…という訳で、誰か観た人がいたら、上記2作品の面白さを是非拝聴いたしたく。

とことん共感得られん原因が、こんなところに転がっているのかも知れない。

ちっとも面白くなかった。

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寂しがり屋本舗

「寂しがり屋だけどな…」
「あ? どうした、常に突然だな…」

「お前はそんなのあると思うか?」
「ある? いる、の間違いじゃねえのか?」

「屋なんだから店だろ? あるかないかで合ってるよ」
「そういうことね。ハイハイ、で?」

「あると思うか?」
「思うも何も、なけりゃそんな言葉ハナから要らねえだろ?」

「遣わない言葉なんざ掃いて捨てるほどある」
「例えば?」

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