20世紀が生んだ、かの大天才アインシュタインは「神はダイスを振らない」と曰い、不確定性原理を否定した。
八丈島に台風が直撃、三十年に一度といわれる奇異なコースであるという高確率を引き当てた現状、不意に彼の言葉が想起された。
そこから思考を巡らせるとひとつの想いに突き当たる。
生か死か──この二者分岐。
なるほど、2通りの解があるのでその確率は2分の1、50%と錯覚しがちだが、生あるものは必ず滅する、という事実を踏まえると、この分岐は成立しない。100%死ぬ。
では、何故生きているのか?
猛暑にて紫煙を燻らす
空前絶後の猛暑の中、ふと脳裡をよぎる。
自身の女性遍歴を辿ると、今までには居なかったパターンだな、と。相手のことを自分事として捉えていない訳ではないが、飽くまでも他人ということをしっかりと認識できている。それが子まで設けた経緯なのかな、と自分なりに解釈している。
僕は僕で常に新鮮味を感じているのだが、彼女にはそれがないそうだ。済みませんね、と。
これだけ人生を共有しているのだから、他人行儀な間柄ではないつもりだが、新鮮味とは別次元に居るものだ、と。僕はそう捉えている。
客観
客観とは主観の複数形である。
特別と差別 - 咀嚼版
例えば、そこに居る全員がステーキを食べているのに、ひとりだけメザシを食べていたらどうなるか?
また、全員がメザシを食べている中、ひとりだけステーキを食べていたらどうなるか?
特別と差別に違いなんかねえんだよ。分かるか?
感情の問題なんだ。或いは、状況設定の作り方。
ステーキが苦手な奴だったら、特別感なんぞ味わえんだろ?
反対に、メザシが好物の奴だったら周りの状況なんかも関係ねえ。
感情が負の要素に傾くから差別。正の要素に傾けば特別。
そこに違いなんか殆どないんだよ。
感情てな人間の理性の問題だからな。絶対的な価値観としては成立しねえんだ。
ただ、願わくば、ステーキとメザシ、両方共食べたいよな?
バランス考えてよ。一事が万事。バランスだよな。
ま、そういうこった。
動詞促音化(は行)+動詞
動詞促音化(は行)+動詞。
降って湧いた思考ナイアガラ大瀑布の様子を綴ってみたい。
動詞「倒す・飛ばす・殺す」。
はっ倒す、はっ飛ばす、はっ殺す。
ひっ倒す、ひっ飛ばす、ひっ殺す。
ふ(ぶ)っ倒す、ふ(ぶ)っ飛ばす、ふ(ぶ)っ殺す。
へっ倒す、へっ飛ばす、へっ殺す。
ほっ倒す、ほっ飛ばす、ほっ殺す。
God save me
「よく頑張ったね」
彼が優しい表情を浮かべながら彼女の前に立った。彼女は涙をいっぱい溜めた瞳で彼を見つめた。
「神様が見ていたかどうかは知らないけれど、僕は君を見ていたよ」
その言葉に彼女は感極まった。堰切ったように彼の胸に飛び込むと、瞳いっぱいの涙を溢れさせた。彼がポンポンと頭を撫でる。
「頑張った人にはご褒美が必要だよね」
彼女は怪訝な表情を浮かべながら上目遣いで彼を見上げた。
「プレゼントがあるんだ」
そう云うと、綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出し、彼女に手渡した。
「これは…?」
「開けてご覧」
高鳴る胸の鼓動と共にラッピングを解き、箱の中身を取り出すと、彼女は小首を傾げた。
「これは… 何かしら…?」
彼は得意満面な笑顔で答えた。
「眼鏡だよ」
「それは分かるけど… あたし、眼は悪くないわ…」
溜まらず彼が吹き出した。
「そんなことは知ってるよ」
「じゃあ、どうして? 眼鏡を貰っても…」
彼は彼女の唇に人差し指を添えて遮った。
「それは『神様透視眼鏡』だよ。神様が透けてみえるんだ」
「神様透視眼鏡…」
「ああ。それがあれば神様の居処が分かるだろ?」
「居処…」
「居処を突き止めたら文句を云えばいい。どうしてきちんと見てくれないんですか、って」
彼女は穴が空いたように彼を見つめた。
God save me...
愉快
46年生きてきたが、なかなかどうして不愉快だ。
ただ、これほど生きても尚、不愉快であるということを知り得たことが愉快でならない。
45年しか生きていない者には、この気持ちは分かるまい。
それは、僕もそうだったからだ。
なぜ何もないのではなく、何かがあるのか
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
俺様ルール
「簡単な話さ。俺の云うことをみっつだけ利けばいい」
「みっつ」
「こんな簡単な話、ないだろ?」
「それは?」
「従え。平伏せ。奉れ」
「何様だし…」
Not at all.
*2017.09.14・草稿