かわいげと生意気さ

常々、かわいげと生意気さについて、ヒエラルキー云々を考慮に含んでいたのだが、何てことはない、これらの観点も優位性によって左右されることに今更ながら気付いた。

と同時に、対等を望む無意味さを痛感した。

対等では何も生まれない。高低差がなければ何も生まれないのだ。
何が高きで、何が低きかは、相対する当事者間によって変化する。

物事が動くときには、圧倒的なトップダウン、或いは、強烈な下克上が発生するのだ。
そして、その契機は、冒頭の心理状態から繰り出されることが少なくない。

ふと、そんなことを思った。

___ spelt by vincent.

生きてゆくことと煙草を吸うことの関係

生きてゆくことと煙草を吸うことはよく似ている。


生きてゆくことを大仰に捉えたフレーズなりはそこかしこで見聞されるが、生まれたということが既に結果であって、生きてゆくこと自体にそれほど深い意味はない。終わるまで全うするだけだ。

百害あって一理なし、といわれる煙草もまた、火を点けた時点で吸い終わるまで吸うだけであり、ニコチン中毒以外にそれほど深い意味はない。

煙草吸いの多くがそれを感じているはずだ。100円ライターだろうがオイルライターだろうが、ガスライターだろうがマッチだろうが、煙草に火をつけた時点である程度の満足感を得ていたりすることを。

或いは、習慣化した一連の動作に特別な思い入れを込めるほうがよっぽどどうかしているだろう。

──にも関わらず、両者には必ずといっていいほど過度な干渉ベクトルがつきまとう。


生きてゆくことと煙草を吸うことはよく似ている。

___ spelt by vincent.

最凶考

「最強」は最も強い、という意味。
「最悪」は最も悪い、という意味。

これらを並べると「最強最悪」という、悪役レスラーや、暴走族のキャッチコピーのようなフレーズができあがるが、更にもじって「最凶最悪」とするとどうだろう。

禍々しさを誇張したいことは伝わるが、当て字としては些か穏やかでない。

このまま放置しておくのも、球体バブルス収集委員会会長としては流石に忍びないので、暇さ加減にかこつけて少し掘り下げてみたい。

「最凶考」──である。

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幸せの器


「1パック10個入りの卵ってあるじゃない?」
「ええ、あるけど?」

「それって、どう思う?」
「どうって?」

「や、幸せかなぁ、って」
「幸せ?」

「うん」
「幸せかどうかは分からないけれど、卵は結構使うから便利ね」

「そっか」
「てゆーか、出し抜けに何を言い出すのよ。どうかしたの?」

「別にどうもしないよ。いつも通りさ」
「そう、ならいいんだけど…」

「じゃ、4個入りとか… 1個しか入ってないのもあるじゃない?」
「ああ、あるわね。1個のはお高いわ」

「それって幸せ?」
「微妙ね… 1個のはお高いし、品質も良いのでしょうけれど…」

「卵を基準に考えるから微妙なんだろうね」
「?」

「1個しか入らないパックには1個あれば十分じゃないか」
「それはそうだけど…」

「欲張って10個入りパックで構えているから満たされないんじゃないかなぁ」
「…」

「幸せの器って、人それぞれだね」

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雑感

檻の中の虎と言われたことを想起した。
虎と言えば威勢はいいが、檻の中にいるということは、所詮は飼われているということだ。

俺といるのは正直、面倒なことなのだろう。

猛獣使い募集中。
嗚呼、虚しい。

___ spelt by vincent.

掃き溜めに鶴

さて、煙草吸いが隅に追いやられて早幾星霜いくせいそう
街角から切り取られた喫煙スペースはお世辞にも美しいとは云えず、煙草の空き箱や空き缶などが不様に散乱しており、大抵が吹き溜まりと化している。

閉鎖的で排他的なその空間では、皆一様に押し黙ったまま噴煙を撒き散らし、虚空を捉える視線の先には夢や希望と云った類いはすっかりなりを潜めている。

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男前

できない理由を並べるより、できる方法を考えるほうがかっこいい。

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