熱は下がったのかな…?
などと案じつつ──
眠れない自分に苦笑のシャワーを。
2006年8月 アーカイブ[23]
順番
「順番ってそんなに大事なものかい?」
「いいえ、そんなことつまらないだけだわ」
「後付けでも構わんと?」
「ええ、わたしはね」
「何だかゾクゾクするね」
「ワクワク──じゃない?」
「似たようなものさ。例えば君はどんなのがお望みかな?」
「今まで感じたことのないような──」
「感じやすい?」
「誰彼って訳じゃないわ」
「差別だな」
「区別よ」
「境界線には誰が?」
「わたしが番人よ」
「一線を越えることは?」
「順番待ちよ」
概念の宇宙観
「見ているものが違うんだよ──」
ロックグラスの中の氷をカラカラとやりながら男が呟いた。隣りに坐っている男が訝しげな視線を投げる。
「見ているものって?」
ロックグラスの男が鼻で笑う。
「訊けば見えるとでも?」
隣りの男が閉口する。ロックグラスをひと口舐めてから、ゆっくりと云った。
「見えているものが違う、が正しいかな?」
隣りの男は依然訝ったまま。そんな彼に視線も向けず、ロックグラスの男は愉快そうに肩を揺する。
自己中心的 - 世界の中心
「ねぇ、世界の中心って何?」
目許の涼しげな男が無表情なまま問う。
「君の世界の中心は、って訊いてるんだけど」
問われた男は何も応えない。
「僕の世界の中心は僕。誰にも譲らないよ」
問われた男の視線が泳ぐ。
「世界の中心が他所にある人のほうが危なっかしい。所詮、他人は他人、中心になれる筈がない。それは肉親でも兄弟でも同じこと。自分以外はすべて他の人格だし、制御不能だからって愚図ったりする訳でしょ?」
畳み掛けられた男の額には脂汗が滲む。
「君の世界の中心って何?」
一念発起したように、
「じ、自分です…」
とモスキートボイスが洩れ出した。無表情な男の口許が僅かに緩むと、緊迫した空気も弛緩した。
「グラグラだね──」
天使のような微笑みを浴びせられた男は視線を落とすだけだった。
念う
文章として書き起こすと、途端に軽く感じてしまうかも知れないが…
ただただ、案じている。
今しばらくは。今しばらくは。
辛さ苦しさが深い分、感動もまた深い。
──vincent.語録のひとつ。
ならぬ堪忍、するが誠の堪忍。
──僕の製造元の片割れから聞いた言葉。
ただただ、案じている。
今しばらくは。今しばらくは。
包んでやる。
全部だ。
全部、包んでやる。
ありったけ包んでやる。
魂
行間に魂を込めて──。
ストラテジー
戦略はイメージありき。
人は捉えられないものに囚われてやまない。
虚と実、実と虚。
そもそも輪郭のぼやけてるものを某かでセグメントする愚行は、インテリかぶれな人間の愚かな人間の人間たる所以。
戦略はイメージありき。
人は捉えられないものに囚われてやまない。
我が魂の命ずるままに──。
両の腕(かいな)を拡げてみれば
ゆっくりだが、確実に回転している。
寂寥感の中にも、
ひんやりとした心地好さが同居する。
離れなくてはならない場所に居て、
なおも自身を押し殺し、制御を試みる。
相手を思う余り、恋い焦がれる余り、
恋い余る故に──。
魂の振動は制御不能。
だからこその過剰抑制。
魂はあなたのものだが、
魂の器はそれほど頑丈じゃない。
ただ、今しばらくは堪えてくれ。
ゆっくりだが、確実に回転している。
焦がれる焦燥感を自虐的な悦楽に変えて、
現実と非現実を優雅に彷徨う──。
あなたと共に。
両の腕を拡げてみれば
深い懐が解放される──。
気付いてないかも知れないけれど、
鍵を開けたのは、あなたなんだよ。
遠慮する必要は、ないんだよ。
遠慮する必要は、ないんだよ。
藪から棒に狙いを定める
自我の人格は他我に育まれ捏造される。
曖昧な輪郭を他我の指摘、明言によって確固たる自我の確立への糧とする。
──のか?
否、やはりそれは飽くまでイメージ、幻想に過ぎない。だが、人は幻想を幻想として括り切れない。
故に、風評の類いとは一気に浸透し、収束には困難を極める。
願わくば、
『覚醒せよ──』
人智を超えた強大な未知なる力に向かって、藪から棒に狙いを定めショットガンの雨を。
*自コメントより抜粋