性欲の捌け口として、道具としてしか見られないから、その呪いに呪縛され、苛まれ、焦燥感に悶絶する。
愚劣な自身を戒めよ。脳天に鉄槌を下せ。
命中率は自身で鍛錬せよ。
如何に他人に諭されようが、自身の魂がそれを受け入れなければ、すべての言動は徒労に終わる。
潔を以て苦渋を呑み干せ。平らげろ。
それが「因果応報」なのだ。
一方の無理強いは他方の拒絶を促すだけ。阿呆は死ね。知ったかぶりで正当風を装うな。
2006年8月 アーカイブ[23]
熱い欠片のミルフィーユ
云いたいことはすべて云うべきだが
すべて云ってしまうと泉は干上がる
だから 言葉を重ねるのかも知れない
熱い欠片のミルフィーユ
甘い甘いミルフィーユでおなかが満たされる
空になったお皿を眺めて切なさで満たされる
だから 言葉を重ねるのかも知れない
熱い欠片を言霊に乗せて──
The Pathetic Sonata
重い躯を引き摺るように
死地へ赴く兵士のように
見えない鎖で雁字搦めにされた魂は
続行の覇気と交信の甲斐を拒絶する
──虚空を捉える瞳は何も映さない
護送車に揺られるように
生気を吸引されるように
振り向き様に向けられた悲哀に
鋭い爪で心臓を鷲掴みにされる
情け容赦なく締め上げる
口の中の水分が蒸発する
赤信号で停まったときに
駆け出そうとした衝動を
悲愴と現実が足止めする
ぐらりと左折した護送車の車窓越しに
掛け替えのない背中が双眸に灼き憑く
輝きを潜めた天使は 静かに羽を仕舞う