2008年2月 アーカイブ[16]

表現考

表現──。

例えば、黒板に爪を立て、引っ掻く。
何とも不快な不協和音が響く。

文字だけでも、そのイメージを想起させる。

強烈に厭な印象しか残らないこんな表現。

「印象づける」と云うことが理屈ではないことが窺える一例だ。

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神話

虚言も貫けば神話となる。

神話とは、神々しいまでに光り輝く荘厳なフィクションのことである。

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美しい姿勢

「美しい姿勢」とは、終局、不可能だと知りつつも進むことを厭わない愚かさを呑むことである。

これを「潔」と呼ぶ。

___ spelt by vincent.

シールド - 解放

あの扉の向こう側には何が──?

闇の中に浮かぶ縦長の長方形
向こう側から洩れる光がその輪郭を縁取る

真ん中に浮かぶ覗き穴

一点集中くり抜いているが、
きっと何も見抜くことはできないだろう

覗き穴を覗く必要はない

見えないものは見えない
努力は不要、と云うことだ

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凌駕

「究極の真理」。

森羅万象を司ると呼ばれるその概念を仮に「100」とするならば、必然的に両端である「極」が存在し、それは互いに「1」ずつの領域を確保しつつ、それぞれの極端で孤立し、互いに相対し、屹立している。

その両極の狭間を埋める残り「98」が所謂「どちらでもない」という曖昧な領域であり、凡そがその領域内で終始する。

或る意味、俗人でも捉えることができる「因果律の法則」に支配されている、と云えるだろう。

ただ、個人的にはその領域内には余り魂が響かない。

響きはしないのだが、存在は否めない。その辺りの括りに過ぎない。

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