望郷の念

望郷の念──。

人は何処に帰りたがっているのだろう。

安息、休息。

息つく間もない日常に世界が霞む。
色褪せた美しい季節が順番を無視してカットインする。

忘れてしまいたいのに、想い出してしまうのは何故だろう。

疎ましい記憶繊維が解けながら絡まる。
紫煙を燻らせ煙に巻こうと努める。


望郷の念は「棚上げの美学」を拠り所に。

___ spelt by vincent.