ふと すべてを 脱ぎ捨てたくなる
がんじがらめの 強情な
真っ赤に錆びついた鎖を 断ち切りたくなる
焦燥や 憤懣や 矛盾や 葛藤や
全身を覆い尽くす 目に見えない
形容しがたい 判別不能な 重圧感にも似た
他には寛容なれども 己に厳しく
完璧からは 疎ましく遠く
弛まぬ前進からは 縁遠く
微睡みかけた 虚ろな焦点で
ただ 眼光のみが 何かを 追い続ける
あれや これやと 次から 次へと
のべつ幕なし ひっきりなし
あおられ 急かされ 追い立てられ
本物を知らず 偽物を知らず
過分を知らず 不足を知らず
痩身な体躯を引きずり 右往左往と翻弄され
何を見 何を聞き 何を得 何を失うのか
覇気すら知らず 甲斐すら知らず
意味すら知らず 目的すら知らず
道標は はるか彼方で 嘲笑する
ふと すべてを 脱ぎ捨てたくなる
がんじがらめの 強情な
真っ赤に錆びついた鎖を 断ち切りたくなる
道標は はるか彼方で 嘲笑する
可能性と 希望と 渇望を 信じて
ただ 眼光のみが 何かを 追い続ける
ただ 眼光のみが 何かを 追い続ける