正論は恐ろしく殺傷能力が高い。
多分、殊更に表現し切ってしまえば、何もかもが立ち所に崩れ去るだろう。
うっすらとした恐怖もなく、ただ、シニカルな笑みだけが浮かぶ。
脆く儚い均衡だ。
何もかもがギリギリで成立している。
感情を消すことだけが唯一残された逃避先なのだろうか。
そんなことを感じる。
非道く他所他所しい。
他人の紡ぐものに魂が響かない。
心情の吐露は他人の心に響かない。
心に響かないものが魂に至る筈がない。
そして、それはお互い様なのだ。
お互いに二元物同士。
根底で擦れ違うのは必然。
表層が僅かばかり触れ合う程度だ。
一挙手一投足に一喜一憂し、右往左往と翻弄され、足許覚束ないままに、やがて、朽ち果てる。
酔狂でもなければ、途中でリタイヤしたくなるだろう。
酔い痴れてるだけ。空虚な幻想に身を委ね、曖昧な確証を胸に抱いたまま、それに気付かず、やがて絶命する。
哀れだ。