心地好い絶望感

抵抗 逃避
そんな 希望 願望 を抱くことすら
脆く 儚い 叶わぬ 幻想

陳腐な 期待は
頭の中に想い描くだけで 無謀


ただただ 目の前に 立ち尽くすだけ


手を伸ばせば 届く距離にいるはずなのに
手を伸ばすことすら 儘成らず

自然に溢れ出す涙には
感情すら 篭っていない


ただただ 目の前の存在に
立ち尽くすだけ


絶望感
悲観的な絶望感ではなく
心地好い絶望感


助かる可能性が
ひと欠片も残されていないことに
何の疑問すらも 抱かず

底の無い 真っ暗闇の湖へ
徐々に 飲み込まれてゆくような


ただただ 堕ちてゆく
音もなく 静寂に包まれながら

ただただ 堕ちてゆく


それが 真の絶望感
心地好い絶望感──

___ spelt by vincent.