永遠の刹那

震える小さな肩を そっと 抱き寄せ

俯いた君の顎を 人差し指で擡げると

ほんのりと赤みを帯びた 薄紅色の頬

怯えてるのかい? ううん 違うの…

じゃ どうして震えているんだい…?

それは… 云い掛けた唇を 唇で塞ぐ

重なり合った唇が 潤って溶けてゆく

永遠の刹那を
封じ込めるように 慈しむように

今しかない今を
貪るように 奪い合うように

永遠と云う幻想に
期待と裏切りを 感じながら

今しかない今を
ふたりで 共に 分かち合う

抱き合うふたりの
高鳴る鼓動を胸で聴きながら

今しかない今を
噛み締めながら お互いを晒す

やっぱり あなたといるときが 一番 素敵

艶やかに潤った君の唇に 照れくさい微笑を

鼻の頭を撫で 踵を返す また 会おう

空気の振動なしで 煤けた背中で伝える

また って 一体 いつの話…?


野暮な疑問符は どこかに 置いてけぼり

固く 固く冷やされたアスファルトの上で

塵や芥にまみれながら 掻き消されてゆく

靴音と 背中に感じる視線が 切ない…


切ないから 滲みる──

___ spelt by vincent.