耽美

耽美とは、内面に沈殿する醜悪なヘドロを凝視することである。

表層の美貌なりは総じてまやかし。ビジュアル・インプレッションなど…
高々、精々──ただの虚仮威こけおどし。

それらを見遣る共なしに半眼で一瞥し、口許には哀憐の微笑を──。

鬱蒼と樹木が生い茂る生命の息吹きを拒絶する森の中、さざなみひとつ立っていない穏やかな湖が拡がる。

湖の中央、湖面には水面ギリギリで蓮華座れんげざを組んだ者が──覚醒を夢見るように瞑想している。

例え、到達に至らなくとも──彼は何も動じないだろう。


耽美だ。

___ spelt by vincent.