波紋

灰色の空から叩きつける 無数の水滴が
池の水面に 小さな無数の王冠を 踊らせる

その王冠から 無数の波紋が
無数の円を描きながら
互いの周波数を発するように拡がる

一定のリズムを保ちながら
時には 優しく 時には 激しく
秩序だった混沌を呑み込みながら

池の水面を埋め尽くす 無数の波紋は
互いに重なり合い 溶け合う
互いに貪り合うように
互いに殺し合うように

それが 当然至極 自然の摂理


そして 輪郭を 緩やかに 暈かす


解らないことは 解らないままで良い
輪郭を 緩やかに 暈かせば

それが 当然至極 自然の摂理


波紋を眺めながら


シャープなエッヂを暈すことで、より自然で美しいアウトラインが描かれる。

人間の視覚とは驚くほどに曖昧で不正確なもの。そんな朧げなものを「不動の根拠」として確信めいた幻想を云い利かせるように認識する。

アンチエリアス。

精密機器のような緻密さが欠けるからこそ、それぞれの持つ「独自の波紋」を「一定のリズム」を保ちながら。
「秩序だった混沌」を呑み込みながら「独自の周波数」として、それぞれの朽ち果てるまで放出する。

人は生まれながらにして波紋を投げ掛けている。

Don't think, feel...

___ spelt by vincent.