誰もいない部屋に戻り 灯りを点ける
Macの前に腰を降ろし 電源を入れる
しばらくして 部屋の灯りを消す
HDDの回転音が 静かに響く
ロックグラスに氷を入れ
ジャック・ダニエルを注ぐ
カラカラと氷を鳴らしてから ひとくち含む
楓の葉の薫りが入り交じった 吐息を吐く
ふたくち みくち──
製氷器で作られた氷の 白濁した部分を眺め
「不純物」という言葉が 脳裏を掠める
アルコールに溶かされ 角の取れた氷を眺め
「臆病者」という言葉が 脳裏を掠める
セブンスターに火を点け 煙を吐く
ほうと 長く 溜息をつくように──
琥珀色の液体を 胃の腑に 流し込む
瞼 閉じれば
煙が目に滲みることは
決して ない
心安らぐメッセージに感謝する
おやすみ 良い夢を☆