何故、生きねばならぬのか?
それは、生の惨たらしさを嫌というほど思い知るためである。
本質は至極シンプルだ。
精神世界と現実世界は、驚くほど乖離しているほうが都合が良い。近似値、或いは隣接していると、恐らく壊れてしまうだろう。
ただ、乖離しているとは云えども、離叛している訳ではない。否が応にも、不都合な現実世界と云うものは常に並走、追随している。
*注1)
現実世界の時間軸と精神世界の時間軸は同期していない。
現実世界の時間軸は宇宙の法則に従い、非可逆に進行している。つまり、タイムラインありき、と云うことだ。
おおよその大多数がこのタイムライン上で活動する。
対する、精神世界の時間軸は宇宙の法則に縛られない領域で進行している。個々のスポットタイム。つまり、点在できるし、可逆なのだ。
タイムラインとスポットタイムの同居。本来、同居は難しい。基点が違うのだから。
だが、脳内シナプス群は、特に意識せずとも、このような矛盾を事もなく演算処理している。
この実に優秀なCPUをアイコン化したものが「脳内段違い平行棒」だ。そのアイコンを脳内に住まわす。イメージとして焼き付ける。
人間の脳は、偶像、虚像を作り上げる労力を惜しまない。
そうして「希望」と云う名のチケットを携え、明日へ、未来へと可能性を繋ぐ。
我が魂の命ずるままに──。
*注1)
殊更に不都合な現実世界ばかりをピックアップしている訳ではない。好都合な現実世界もまた、精神世界と共に並走、追随している。
そして、それら好都合な現実世界が、より好都合な精神世界構築の一助になっている事は自明の理だ。
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