囚人

純粋とは透明なもの。
剥き出しで、過敏で、非道く脆く儚いもの。

視覚で捉えられないからこそ色を着ける。
そして、或る意味、何色にでも染まる。

色とは意識世界。
或る向きからの都合で刷り込んだ、一方的で自分本位な解釈。

そこで初めて表裏やxyz軸や深度などを認識する。

刷り込み方は多種多様。千差万別。
環境、或いは教育──洗脳。

既成概念。執着心。思い込み。勘違い… 等々、枚挙に暇がない。

また、それらすべてを踏まえて、影響を受けない、と云う影響も含まれる。


捉えられないものに対して、

自身なりに着色し、
自身なりに咀嚼し、
自身なりに嚼み占める。

捉えられないものに囚われる──。

これが「矛盾の原点」と云えるだろう。


当て所なく彷徨っているようであっても、自由奔放に振る舞っているようであっても…

暗中模索。五里霧中。
対として、
徹頭徹尾。首尾一貫。

某かをテーゼに掲げていようとも、人は誰しもが囚人であるのかも知れない──。


レーダー付きの小判鮫が仄暗い海底からこちらを睨む──。

___ spelt by vincent.