髪を切った君は、とても清楚で、清純で。
イメチェン成功とばかりのVサインが愛おしくて。
眼の輝きが暗闇の中でも映える。
愛くるしさの中にも蟲惑的で、挑発的で。
雌固有の淫靡な熱光線──。
確かに熱を感じるのだが、
傍目にはクールで冷たい蒼白い輝き。
ロックグラスに浮かべた氷のような──。
女っぷりにゾクゾクした。
いい女は何をしても様になる。
眺めているだけでも満足だが、
生憎、黙っていられるほど躾されてない。
絡み合う視線だけで呼吸が止まる。
本当は、言葉なんか要らないんだけれど、
それでも、つい喋り過ぎてしまう。
男の喋りはみっともない。
分かっちゃいるんだけど… ごめんね。
僕も髪を切ろうと思うよ。
そしたら、君の話をもっと聞かせてくれよ。
君の話は果てしなく面白い。
根っ子から愛が溢れ出してる。
美しい。
上から目線じゃない高みの見物は悪くない。
舞い上がりはしないが──クラクラする。