高架を臨むシルフィード

気付かぬうちに、君の幻影を追っていたのかも知れない

君との絶頂を分かち合えた唯一の場所──
窓の外で凛と佇んで、こちらを眺めている

苦悶の表情
洩れる嗚咽
溢れる体液
軋む心と体──

背中に立てられた爪の感触が
今でも鮮明に焼き付いているようだ


今頃、君はどうしているのだろうか

輝いた季節をさめざめと懐かしむ
哀れな道化を嗤っているのだろうか

それでもいい
忘れられるより、そのほうがずっといい

乾いた風が啼いている
陽射しが眩しい──

*2009.01.06・草稿

___ spelt by vincent.