「愛」とは理不尽の頂点。
例えば、「死ね」と云う強要を強いたり、呑まねばならなかったり、挙げ句、その意を汲もうとさえする、お互いに──。
何とも愚かで哀れだ。
これほどの理不尽は他に類を見ない。
ただ、理不尽ではあるが、これがないと簡単に失意の淵に立たされたりもする。
故に、「キャパシティ」と云う詭弁で慰めるのだろう。極論、自慰行為に他ならない。
「究極の自己愛」と説いた過去の永遠がひんやりと滲みる。
彼女は頭脳明晰だ。想い出の中の君は、いつまでも美しく、どこまでも届かない。
口許に哀憐の笑みをさめざめと湛える。