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天を仰ぎ、流れる雲に憧憬を抱く。

彼らは、どんな変わったフォルム、どんな曖昧な輪郭を晒そうが、誰からも何も干渉されず、お咎めも一切ない。

そんな雲に憧憬を抱くと云うことは、その雲を凌駕する“雲の上”に想いを馳せ、自身とのギャップに圧倒的ブランクを感じ、それを埋められない自身を呪っているのだろう。


「天下の」「一流の」と云う冠群に冷ややかな笑みを浮かべる。同時に「尾張の大うつけ」と云う言葉がリンクする。

乾いた脳内比較演算処理。

自虐的に自身を苛み、貶め、
自慰的に自身を宥め、賺し…

喩えようもなく愚かで陳腐で滑稽だ。

形骸化・形式化された自身の空洞化した空虚な魂の器をみっともなく引き摺る。


ソリッドとリキッドの狭間。固体でも液体でもない──“状態”。「現状」と云う気体のような存在。

真の「心地好さ」を感じられる「状態」「気」「アトモスフィア」──。

そんな“自然”とは空想の世界だけに実存する概念なのだろう。麒麟や鵺、ドラゴンやユニコーン──それら幻獣の類いと何ら変わらない。

何処にも実体はないが、amebicと云う言葉がチラ付く。アメーバ状、ゲル状──。

認識と云うセグメントがそれらを抽出し、無いものの輪郭を「有る」と促しているだけだ。

意識世界と云う色は、何色でも、自由に、器用に、何でも塗り染める。


乾いた風が通り過ぎてゆく。
天を仰ぎ、流れる雲に憧憬を抱く。

___ spelt by vincent.