哀笑

「あなたはよく笑うのね」
「そうかい?」

「ええ。いつも笑ってるわ」
「君の前だけだよ」

「どうして?」

「今のうちにそうしておかないと、そのうち、そんなことをする機会がなくなってしまうからさ」

そう云って、彼は微笑んだ。

「──わたし」
「?」

「わたし、あなたの笑顔、好きよ」
「──」

彼は、彼女の笑みから伏し目がちに視線を逸らした。

「ありがとう」

そう云って、再び微笑した。

___ spelt by vincent.